「除雪機にはディーゼルエンジンタイプがあるらしいけど、普通のガソリンエンジンと何が違うの?」
こういう疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか?
「ディーゼルだから燃料が軽油って違いだけ?」
いやいや、それだけではありません。ディーゼルエンジンだからこその大きな違いがあります。それはパワーです。
結論から言えば「ディーゼルエンジンタイプはパワーがある」と言えます。軽油を使うので燃費が良いからですね。
ただし、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンより音が大きいので、住宅街ではちょっと気になりますね。またディーゼルエンジンはガソリンエンジンより頑丈に作られているのでそのぶん、重いというデメリットもあります。以下詳しく解説していきますね。
今回は除雪機における「ガソリン」タイプと「ディーゼル」タイプの違いを比べながらそれぞれの特徴を紹介し、ガソリンでもディーゼルでもない「電動タイプ除雪機」と「ハイブリッド型」除雪機もあわせて紹介します。
除雪機は「ガソリン」と「ディーゼル」で何が違うのか解説
【1】「ガソリン」除雪機と「ディーゼル」除雪機に違いはあるのか?!
「ガソリン」除雪機と「ディーゼル」除雪機は実はかなり違う!
除雪機の「ガソリンエンジン」タイプと「ディーゼルエンジン」タイプは実はかなり違いがあります。結論から言えば、ディーゼルの方が「パワー」があります!
その理由は燃料となるガソリンと軽油の性質の違いです。
ディーゼルエンジンはエンジン内の圧力を高めて温度を上げ、燃料である軽油を自然に「着火」させて燃焼させます。点火プラグの火花によって「引火」させるガソリンエンジンとは基本的に違うのです。
エンジン内の圧力を高めた上でその温度を維持するためには、エンジンブロック内部の構造をかなり頑丈にする必要があります。だからガソリンエンジンよりも「ディーゼルエンジン」は強固に作られているのです。(そのぶん、ディーゼルエンジンは重い)
それらエンジンの構造的要素により、同じ排気量でもガソリンよりも「ディーゼル」の方パワーが上となるのです。
「ガソリン」除雪機と「ディーゼル」除雪機の燃料費、実は変わらない?
レギュラーガソリンを燃料とするガソリンエンジンと、軽油を燃料とするディーゼルエンジン。当然、除雪機においても燃料費はディーゼルの方が安くなると思いがちですが、実はそれほど変わらないというのが大多数のユーザーの意見です。
もちろんガソリンより軽油の方が安価ですから、ディーゼルの方が燃費はいいというのは間違いありません。
ただ、自動車のように長距離を連続で走るならいざ知らず、除雪機の走行距離はそれはどではありません。そのため例え1シーズン通しても、トータルの燃料費にはそこまで大きな違いは出ないと言われているのです。
【2】「ガソリン」vs「ディーゼル」|除雪機タイプ別比較!
「ガソリン」除雪機の特徴
小型除雪機の大部分を占めるのがガソリンタイプの除雪機です。
パワーではディーゼルを下回る「ガソリン」ですが、何と言っても騒音面での静かさはディーゼルの比ではありません。
また、購入時の本体価格もディーゼルよりも全体的に安価になっています。そして、各除雪機メーカーがメインタイプとして開発しているのがガソリンタイプですから、ディーゼルタイプに比べ操作性は便利かつ簡単になっています。
ただ、エンジン構造の頑強さではディーゼルに劣るため、エンジンブロックの故障に関しては、ディーゼルエンジンよりガソリンエンジンの方が壊れやすいと言われています。
ガソリン除雪機のメリット(ディーゼル除雪機との比較)
- 本体価格が安価
- 騒音面は小さめ
- 操作性が簡単
- 本体が軽めで小さい
ガソリン除雪機のデメリット(ディーゼル除雪機との比較)
- パワーは劣る
- エンジンの故障率はやや高めのため、こまめなメンテが必須
「ディーゼル」除雪機の特徴
パワーでは「ガソリン」を上回るディーゼル除雪機。そのため、重たい雪や硬く凍った雪でも、「ガソリン」と比べても楽々と除雪します。
また、エンジンブロックの構造が非常に強固なため故障率も低く、そのためメンテナンスも比較的楽と言われています。
ただし、騒音面に関してはかなりうるさいと言われており、また、「ガソリン」より全体的に大きく、重量面でも重たいのが「ディーゼル」の特徴です。
ディーゼル除雪機のメリット(ガソリン除雪機との比較)
- パワーがあり、固く重い雪でも除雪可能
- 故障しづらくメンテもラク
ディーゼル除雪機のデメリット(ガソリン除雪機との比較)
- 本体価格が高価
- 騒音面は大きめ
- 操作はやや扱いにくい
- 本体が大きく重たい
「ガソリン」タイプは家庭用、「ディーゼル」タイプは業務用と考えよう!
以上の比較で分かると思いますが、ディーゼル除雪機は一般住宅地向きとは言えません。
騒音面の大きさはかなりのデメリットとなりますし、自動車ほどではないとはいえ、排気ガスの問題もあります。それらの要因もあり、除雪機二大メーカーであるHONDAとYAMAHAは現在、ディーゼルモデルの販売を行っていません。
しかし、郊外の商業用地、山間部や田舎の豪雪地帯では、そのようなデメリット面を比較的気にすることなく、ディーゼル除雪機のハイパワーを活かすことが出来るでしょう。
ちなみに、現在もディーゼル除雪機を扱うメーカーは、「ディーゼル」は中型より上の大きさのモデルとしての扱いであることがほとんどです。家庭用用途を想定していないことが分かるというものです。
これらの要素を総合的に考えれば、自ずとガソリン除雪機とディーゼル除雪機の用途の使い分けが分かると思います。「ディーゼル除雪機」は業務用、もしくは田舎や山間部で使用する除雪機であるという理解でよろしいと思います。
【3】除雪機「第3の選択肢」|電動タイプとハイブリッドタイプ
電動除雪機の特徴
最近、家庭用として注目されているのが「電動除雪機」です。価格も大変安価で、「これでいいなら・・・」と「電動」を購入したいと考えるのも無理のないことです。ただし、電動除雪機はその用途が非常に限定されています。逆に言えば、その限定された用途内での使用であるならば、電動除雪機は十分「アリ」になります。
電動除雪機のメリット・デメリットを、以下に簡単に説明します。
電動除雪機のメリット
- 騒音が非常に小さい
- 新雪などの軽い雪ならば30cmほどの除雪が可能
- 全体的に小さいので保管がラク
- 本体価格が非常に安価
- 軽くて扱いやすい
- 電動駆動でエンジンを使用していないため、故障やメンテの心配が非常に少ない
電動除雪機のデメリット
- パワーが弱いために広範囲の除雪には向かない
- パワーが弱いために重たい雪や硬い雪の除雪には向かない
電動除雪機のまとめ
以上のように「パワーが弱い」のが電動除雪機の最大の特徴です。
そのため、湿った重たい雪や凍った雪などの除雪には完全に不向きとなっています。また、広い範囲での除雪には充電バッテリーの容量が足りず、コンセント式では完全に範囲外になります。
ですが、玄関先や車庫前、ちょっとした庭などの除雪には能力を発揮する場合があります。その条件はあくまでも「軽い雪」や「水分の少ない締まった雪」であることです。そのような用途限定でOKならば、電動除雪機の購入を検討されてもよろしいと思います。
「ハイブリッド除雪機の特徴
HONDAが独自に開発した最新モデルが「ハイブリッドタイプ」です。
その特徴は走行にはモーター動力を使い、除雪能力にエンジン動力を集中させていること。そのため、これまでの除雪機と比較すると、除雪能力に関するパワーは段違いに高いと言われています。また、単純移動時やガス欠時もモーターのみの走行が可能なのも何気に便利な能力です。
ただし、当然ながら「価格は高い」です。長期間使用することを前提にHONDAやYAMAHAの除雪機を購入する予定であるならば、検討してみてもよいと思います。
まとめ
「ガソリン」除雪機と「ディーゼル」除雪機の違いと比較、そして「電動」除雪機と「ハイブリッド」除雪機の特徴を簡単に説明いたしました。
近年の豪雪に除雪機の購入を検討された方も少なくないと思いますが、一口に「除雪機」と言っても様々な特徴があります。
ご自分の希望用途を十分に確認した上で、失敗と後悔のない除雪機選びに役立ててください。